「このピアス可愛いけど、金属アレルギーだからつけれない…」
「金属アレルギーだからK24かプラチナしかつけれない…」
「金属アレルギーだから痒いけどしょうがないから我慢しよう…」
『金属アレルギーだから無理』、そう考えてファッションに制限を受ける女性は少なくありません。
常にプラチナやゴールドの新作を買い続けられる人は少ないですし、手ごろな可愛い巷の商品を素通りしなければいけないのはストレスでもありますよね。
最近では、身近にハンドメイドのクリエイターさんも増えてきており、興味を惹かれる魅力的な商品がネットというメディアを通して目の前にいつもあります。
“可愛いピアスを見つけても、金属アレルギーだからまずは素材が気になる”
“安物のネックレスは金属アレルギーが怖くて買えない”
そんなあなたに、アレルギーへの対策は、ほんの少しの心遣いで違ってくることをお伝えしていきましょう。
1.金属アレルギーって何?
「安いピアスをつけたら痒くなった」こういった経験に基づいて『金属アレルギー』と感じていらっしゃる方はいらっしゃいませんか?
原因は、
ニッケル?シルバー??それともメッキ???
もしかして、安いピアスや指輪だったから?
この疑問であれば、専門の病院でアレルギー検査を行えば答えは出るかもしれません。
実際、アレルギーパッチテスト等は関連皮膚科等で5000円前後で多く実施されています。(保険も適用されます)
ですが、これは自分の現状の体質を知る為には効果的ですが、快適なアクセサリー&ファッションライフ、と事をくくれば解決にはなっていません。

むしろ『キレイ』『可愛い』を追いかける女性にはダメなものを駄目と知ることで、心理的にナイーブになり更に炎症を起こす可能性だってあります。
1-1.金属アレルギーの原因
金属アレルギーを発生させる原因は多岐にわたる為、単に「これ」と断定できるものではありませんが、一般的には、人体から出る水分(汗)と使用時の摩擦などで化学反応等を生じ、金属表面を溶かす。結果、金属イオンを発生させる事にあるといわれています。この金属イオンが体内に浸透することで、通常体内にはない異物タンパク質として体が察知したり、皮膚の雑菌と共に接種される事で、白血球の抗体作用(退治しようとする)が炎症を起こしてしまうんですね。
ある日突然金属アレルギーになるのは、ある一定の量まで体内に蓄積出来る許容範囲があり、それを越えた瞬間に異物と察し、抗体が炎症を起こすからです。
1-2.金属アレルギーは治らないの?
先ほど書いた要因から、根本的に「金属アレルギーを発症すると治らない」とされるのが一般的です。ちなみに、着用した箇所にのみ現象がでる「局所性」のみではなく、「付けていない箇所なのに体内を回って違う場所にでる「全身性」」という症状もあるので、金属アレルギーの人は単なる炎症にも注意が必要です。
(重アレルギーな方はこれと決めつけず専門医にご相談下さい。)
1-3.アレルギーを起こしやすいと言われている金属
近年では、多くの女性が金属アレルギーに悩んでいます。金属アレルギーについての公的な機関の公表はありませんが、某機関の1万人対象のデータでは約31%の人が何らかの反応が有ると回答しているそうです。
また、アレルギーの原因となっている金属は多岐にわたり、“ニッケルや亜鉛などは金属アレルギーを起こしやすい”“金やプラチナは起こしにくい”という統計も。
ネット上には、金属アレルギーに関する類似する情報が多くありますが、実際に自分の金属アレルギーを病院で調べられた方は少ないですよね。
なぜなら、先にも書きましたが、何の金属にアレルギー反応が出るかを知ることが「ファッションとアクセサリーを楽しむこと」の根本的な解決にならないからです。
- 不確かなまま、我慢して金属の痒みと付き合っていく
- 勢いで買ったけれど使えなくて処分する
たいていの人が、こんな風に日常的にアクセサリーと付き合っているのではないでしょうか?

1-4.ニッケルは金属アレルギーの主犯なの?
特にハンドメイドブームの中、ニッケルは加工しやすく安価で多くのアクセサリーパーツに使われている素材です。ニッケルは、「多くの女性を悩ませる主犯はココに?」と憶測される事もあるような“アレルギーを起こしやすい素材”とされていますが、決して断言はできません。
というより、○○アレルギーと断定する必要は実はそれほど重要ではないし、断定して把握したとしても、巷のアクセサリーが安価なニッケル素材のパーツで作られた商品のみが流通しているのであれば、悩む女性たちが気持ちよくアクセサリーを楽しむ事は出来ませんし、『ニッケル100%』を全面に打ち出す商品をそんなに見ることも少ない…。
ここにも、金属アレルギーでも快適なアクセサリー&ファッションライフを楽しむことへの解決策はありません。
1-5.貴方の金属アレルギーを起こす素材が本当にソレなのか正確に把握していますか?
参考として、金属アレルギーについてのある統計を見つけました。- ニッケル(約19%)→加工に優れ、安価なアクセサリーによく使われている。
- コバルト(約15%)→ピアス・指輪などに含まれるほか、化粧品の一部にも入っており、ニッケルアレルギーの人の半数がコバルトにもアレルギーを持つとされています(交差反応)
- 錫(すず)(約12%)→メッキ下地や、他の金属との合金、飲食器として使われる。
- 銅(約4%)→最近では、料理器具などにも使われている。
- 銀(約0.4%)→アクセサリーなどの宝飾品によく使われる。
※()内アレルギー陽性比率
しかしながら、この数字は、机上のデータ。
この数字から「ニッケルは避けよう」とか「銅も微妙だな…」とかの想いを迎えるのはとても勿体ないし、実際意味がないのです。

パッチテストを受けて「ニッケル」「コバルト」「銅」に陽性が出たAさんの場合
Aさんは、皮膚科でアレルギーパッチテストを受け「ニッケル」「コバルト」「銅」に陽性が出ました。が、現実のファッションライフに目を向けてみた時、Aさんは、金属アレルギー反応の出ないピアスやネックレスを的確に購入することができるでしょうか?
高級ブランドや一部こだわりのお店なら、そのアクセサリーの素材を100%把握しているかもしれませんが、町中のセレクトショップや個人のお店、輸入雑貨などのお店では、素材の把握はとても難しいし、曖昧だったりします。
というのも、多くの金属が「合金」により、精製されているからです。
女性に人気のあの某有名ブランドの人気シリーズの「スターリングシルバー」にもSV1000(純銀)の加工の不安定さを解消する為に、SV925(92.5%銀の合金)を使っており、残りの約7%は銅と亜鉛、ニッケル、コバルトの合金です。
店頭でも「この商品の7.5%は銅と亜鉛とコバルトです」とは説明しないでしょう。
そのことを知らずに「スターリングシルバーなら大丈夫」と購入したAさんは、アレルギーテストは大丈夫だったのに「銀もダメなんだ」と異なったイメージでその後のアクセサリーライフを過ごすことになります。
適正な病院でご自身のパッチテストを行い把握する事。
これは安全なファッションライフの為に有意義な事である事は間違いありません。
ですが、現実世界に目を向けた時使われてる素材全ての組成を把握し、それを回避するのは現実的な解決法ではないのです。

2.金属アレルギーを起こしにくい…という幻想(本当の意味を知る)
2-1.アレルギーを起こしやすい金属と「人」と「金属」の関係性
『アレルギー対応』『アレルギーを起こしにくい』こういった見出しで販売される素材、アクセサリーはたくさんあります。ここで言う、「幻想」はそれを否定する意味でも、嘘だと断罪するものでもないことを枕に置いて、まず、こういった土俵に上がる素材の例を示します。
<グループA>
- K24(純金)
- プラチナ
- チタン
<グループB>
- K18(18金)
- K14GF(ゴールドフィルド(金張り)、主に中心に真鍮があり総重量の1/20以上に14金を圧着させたもの、一般的なメッキの20~30倍の金の層によるもの)
- SV925(スターリングシルバー)
- ステンレス
- ニッケルフリー(ニッケルを使わないものの俗称、様々な合金がある)
<グループC>
- 樹脂(レジン、プラスチックなど)
アレルギーが起こるメカニズムの一般的なものは先に書いた通りで、それを基に考えてみると
<グループA>
- 金属そのものがイオン化しにくい特性があり、前述した『アレルギーになりにくい』といった側面をクリアします。ですが、あくまで『しにくい』とったものです。
<グループB>
- それぞれのメイン貴金属を審美的にか、安定性か(純金は柔らかく加工しにくいなど)、機能的(純銀はアクセサリーにしては重い)な目的で合金になっています。K18には銀と銅が、SV925には、銅や亜鉛やコバルト。基本的にはイオン化しにくい金属比率が高いですが、やはり他の合金分が悪さすることもあります。
- ステンレスは『アレルギーを起こしやすい』とされている、ニッケルやクロムなどの合金で、イオン化しにくい比率・割合で精製されている金属です。
先ほど例で登場してくれたAさんを呼ぶと、ステンレスもAV925(銅を含有)も安心して使用する事はできません。
<グループC>
単に「銀だから大丈夫!」や「金かプラチナしか無理」といった思い込みは幻想といえます。- 金属ではありませんから、『金属アレルギー』といった意味では100%クリアできますが、審美性に劣る点や、人によっては樹脂アレルギーの方もいらっしゃいます。
実際「シルバーはダメだから18金を買った」という方はいらっしゃいませんか?
もちろん医学的な見解は一概に述べれませんが、これは幻想が生んだ思い込みかもしれません。
なぜならK18にはしっかりと、銀も含有されているのですから…。
また、<グループA>にあるような、概ね大丈夫とされる貴金属も個人差の汗によってイオン化し、溶けだす事もあります。
人の汗といっても成分に個人差はあり、極端な例では、通常『弱酸性』の汗が『アルカリ性』になる事もあります。
結果、体調や状況が整えばイオン化を進める酸性をもつ汗を出すこともあり、金属そのものに絶対を求めるのは困難だと考えます。
素材からアレルギーへのアプローチ。
これ自体は間違いではないし、本当にお悩みの方の唯一のノーマルなアプローチかもしれませんが、極論をいえば、発汗や分泌物で金属をイオン化させ体内に取り込んである一定量から反応する。
この「人」と「金属」の関係からみれば、そもそも『金属』と『人』の相性を良いとする事は出来ないといえるでしょう。
店頭の文言や広告のコピーに誤魔化されない、本当の意味での『アレルギーを起こしにくい』を知ってください。
幻想に踊らされてオシャレを捨てるのはもったいないし、把握せず比較的高価な<グループA>や<グループC>を購入してアレルギーを起こし使用を控える為のお金はもっともったいないですから。

3.金属アレルギーの人は金属アクセサリーをつけるべきではない?
もし、文字通りのこの質問をされれば、「そうだ」と回答するのが正解かもしれません。ですが、アレルギーのみではなく、例えば体系、年齢、肌の色、好み、予算、金属アレルギーを持たない人にも十分制限はあり、ほんの少しハードルが高いだけだと考えてみてはどうでしょうか?
勿論、個人としての考え方としては、これまでの記述の通り、病院で複数の金属パッチテストを行い(2~3000円程度)、原因を特定してその金属をつけないようにする。
これが体を最優先にしたときに伝えられる最高の回答だと思います。
ですが、現実的に、そんなことをする女性が何人いるのか?
また、その結果を受けて、欲しいものが買えるのか、その非現実性を示しました。
アレルギーの人にも、それ以外の制限をもつ人にも、全てのハードルを均等に低くする。Lilmineを含めはそんなアプローチをしているブランドも複数あります。
作り手、供給側が思いやりを添える事で少し価格が上がったとしても、等しく優しく。
供給側の無知や虚偽は消費社会においては否定すべきです。需要側の努力ではなく供給する側が変えていくのが本当のアクセサリー・ファッションの正しいあり方だと考えます。

4.まとめ
ここに書いたように、作り手の配慮と着け手の工夫、双方にただしい知識があれば、多くの女性が頭をかかえる金属アレルギーに対する未来・道筋が通ってきました。いかがでしたか?
予め「金属アレルギーに対応している」(…と謳っている)商品しか手に取れなかった時より快適に素敵なアクセサリーを手に取ってみる気になりませんでしたか?
勿論、敢えてアレルギーを起こしやすい素材を選ぶ必要はありませんし、適宜対応しているブランドも多数あります。
それにほんの少しのアイディアを具備するだけで可愛いアクセサリーとの距離は近くなります。
季節・時期・年齢・値段、それぞれのシーンで輝くあなたのアクセサリーへのハンデが少しでも低くなれば何よりです。
原因を知って、想いを向けて商品を届ける。
金属アレルギーでお悩みの女性にも、対策でお悩みの作家さんにも、lilmineの想いを参考にしてもらい、素敵なファッションライフを満喫して下さい。