美しい輝きを保つアクセサリー使用後の正しいお手入れ&保管方法

ピアス、ネックレス、リング、色んなアクセサリー達は、ファッションを楽しむ人のアクセントや、シンボルになったり、想いを込めたお守りや、恋人との誓いだったりと、現在の女性たちにとって、欠かせない身近な位置にいつもいます。

マリッジリングなどを代表に、常の身に着けたまま、同じ時間を過ごす相棒のように使われる方もいらっしゃいますよね。

ブランド店や、アクセサリーショップで提供される商品は、概ね金属で作られており、「気づけば最初の輝きを失ってくすんでしまった。」といった経験をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか?


「“汚れてしまったタカラモノは処分”ではなく、大事に修理してあげればいい。」ですが、その前が大事です。

『修理』を前提する前に、「ならない(汚れない)」ちょっとした気遣いで、アクセサリーの輝きは長くあなたと一緒に時間を刻んでくれます。

そんな少しの思いやりのコツと、その意味をご紹介していきます。


1.汚れ(敵)の正体と、敵への防御に大事な事


汚れの正体は、単に『汚れ』の他、主成素材の金属の「酸化」や「硫化」といった化学的な原因をもつ場合があります。

金属の「酸化」や「硫化」については、【素材別】シルバー・金の黒ずみの原因&適切な手入れ方法:参照

一様に「自然現象だ」とか「経時だからしょうがない。」とするのは早計です。

この原因を把握していれば、完全防御は出来なくても、盾での対抗はできます。

それは具体的に『使用(着用後)のお手入れ』と『保管』。

結構面倒くさかったり、無視してもなんとかなったりしちゃいます。

でも、本当はここにヒントがあって、意外と大きな被害を起こす原因なんですよね。

汚れへの「防御」、それは、この二つのファクターが大きな役割を持つことをまず知って下さい。

今までのアタリマエがしっかりと「保守管理」するアタリマエに変わったとき、そのアクセサリーはこれまでより長く、その輝きを保ってくれますよ。

2.使用(着用)後のお手入れのコツと注意点


アクセサリーのお手入れをネット検索すると「素材別の汚れ落とし方」を紹介しているものがいくつかありますが、汚れを素材別で考えるというのは、少し誤解を招く表現です。(もちろん、材質によって手入れの方法を変えるのは間違いではありません。)

その理由は、症状を正しい知識で『汚れ』と『酸化・硫化』に分けると、「汚れ」に対するアプローチは材質の限りではなく、基本的には同じだからです。

汚れを落とすというお手入れ仕方の場合、特に「使用後」「その都度」と限定すれば、その方法は同じでないと辻褄が合わないんですよね…。
使った後のお手入れですから。

ここでは、文字通りの『汚れ』についてのみの紹介にして、使用後のお手入れへと文を紡ぎます。

2-1.1日の使用でアクセサリーに付く汗・雑菌・埃を取り除く

watch アクセサリーを1日程度使用すると、必ず、「汗」「雑菌」「埃」が付着します。

想像には容易いですが、ひどくなって黒ずみになるまで「汗」「雑菌」「埃」は視認出来ません。

これが、お手入れをしなくてもいい「アタリマエ」の根っこにあって、視認できないから無かった事に出来てしまう理由です。

でも、ちゃんと付いちゃっています。

見えなくても想像出来るこの原因達を取り除く事は、お手入れに不可欠な要素だと知って下さい。

シンプルなその方法と解説を紹介していきます。

柔らかい繊維で掃除する(メガネ拭き等でふき取る!)

【用意するもの】
  • 繊維の細い眼鏡拭のような布(タオル等の洗い起毛布は避ける)
  • (場合によって)水
  • (場合によって)台所洗剤
【手順】
1.使用したアクセサリーの全体を繊維の細かい布で拭く。
2.1で取れないような目に見える汚れや、極端に汗をかいた場合などは、台所洗剤(中性)を水と合わせてしっかりふき取る。(天然石やコットンパールなどが付いているアクセサリーの場合、水分は好ましくないので濡れないようにご注意下さい。)
3.洗剤のついていない布に水を含ませ、拭きながらアクセサリーの洗剤を落とす。
4.しっかりと水分をふき取る。

それこそ、“アタリマエ”との声も聞こえてきそうな方法ですが、表面に付着した不純物を取り除く事は、経時の変化を緩めるのは当然です。

王道こそ正攻法な取り扱いですね。

水分を含ませるのですから、タオルなどの方が良いと感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、その起毛した毛足が、デリケートな金属表面に薄く傷を付ける事もあり、その小傷の集合体が、「くすみ」「黒ずみ」に見える事もあります。

汚れたblu-rayやDVDをタオルでふき取ると、付着した埃と毛足で余計に傷をつけてしまったご経験はありませんか?

アクセサリーも同じです。
デリケートな繊維で優しくふき取ってあげて下さい。

水で洗う(※珊瑚などの有機物、宝石がついているものは避けて下さい)

【用意するもの】
  • 30~40度の湯
  • 台所洗剤(中性)
  • 柔らかい歯ブラシ
【手順】
1.ぬるま湯に中性洗剤を入れてアクセサリーを容器に入れる。
2.5分程度ひたす。(汚れを浮き出させます)
3.それでも取れない汚れは、柔らかいハブラシやコスメブラシで優しく擦る。
(このとき、強く擦ると表面に傷を付ける場合がありますので要注意)
4.全体を水洗いし、柔らかい布で水分をふき取る。


布でのふき取りが手間に感じられる方はこの方法でも保守管理は十分行えます。

ですが、くれぐれも珊瑚やパールなどの有機物(乾拭き推奨)や、エメラルドなどの一部宝飾品が付いているアクセサリーは水分を含む事で質を損なう事があるのでお控え下さい。

水を含んでも問題ないとされる宝飾品は、(金、プラチナ、ダイヤモンド、ルビー、トパーズ、アメジスト・ひすい・オパールなど)です。
その他の宝飾品が付いたアクセサリーに関してはご購入の店舗にご相談される事をおすすめします。


ここでの紹介は以上です。

この他にも「市販のジュエリークリーナー(1000円程度)や、簡易の超音波洗浄機(10,000円程度)をご紹介されているサイトも見つけましたが、費用対効果と実用性、また、素材を限定させる点(例えば、超音波洗浄機は、トパーズやエメラルドの質を損ねる場合がある)からここでの紹介を省きました。

ですが、その方法を否定するものではありませんので、もし、これまで、そういったアプローチで万全にお手入れされていらっしゃった方は引き続き、同じ取り組みをされれば良いと思います。

この段ではいずれも簡単な「ほんの気遣い」といった事で綴りました。

すぐにでも出来る事ですが、これを面倒としてしまうと、大切なアクセサリーを黒くくすませてしまうばかりか、その表面の雑菌や汗などの反応から、ある日「金属アレルギー」を引き起こす可能性もあります。


素敵なアクセサリーを素敵な大好きなもののまま使うため、是非、日々のやさしさを向けてあげて下さい。

3.アクセサリーの保管のコツと注意点

アクセサリーのお手入れが終わったら次回のコーディネートまでお休みするものもありますよね。

そんなアクセサリーには保管にも小さな気遣いが大切です。

「使用後のお手入れ」では主に『汚れ』と戦いました。

この後の「保管」は『化学』(酸化や硫化)といった素材特有の変化や、保管での傷から守ってあげなければなりません。

勿論、それを怠ってもある程度の修理は可能です。

でも、色々な成分が空気や人汗には含まれており、「絶対」に直る保証は誰にも出来ないですから、まずは先手。

そうならない為の正しい保管方法で、アクセサリーを駄目にするリスクを取り除いてあげましょう。

3-1.アクセサリーの化学反応による変色を防ぐ

先にもご紹介しましたが、アクセサリーを黒くする原因は、汚れの他にも化学反応や小傷の集合などがあります。


まずは、「酸化」「硫化」など、空気中の成分からの攻撃に備えましょう。
【用意するもの】
  • チャック付き真空パック(市販のアクセサリー収納袋、シルバーの変色防止などの名前での販売が多い。)
【手順】

1.「2-1.1日の使用でアクセサリーに付く、汗・雑菌・埃を取り除く」の方法でお手入れをした後、アクセサリーを空気を遮断する袋にいれて保管。
2.この際、一つの袋に一つ。(または、それぞれが接触で傷がつかない様に工夫していれて下さい。)

空気との反応で起こる現象の抑制ですから、真空パックで遮断してあげれば反応しにくくなります。

理系ではない単純な解釈で正解です。

同じ袋にまとめないのは、アクセサリー同士の接触による傷を防ぐため。

複数の小傷は「黒ずんだ汚れ」に見える事が多いのでそれも同時に防ぎましょう。

アクセサリーをたくさん持っている方で収納に困ってしまう方は、一つの袋の内側を仕切るなどで工夫すれば同じ袋にいれても大丈夫です。

同じ理屈から、『真空パック機』(20,000円程度)をご利用されるのも効果的。

主に食品の保管の為に販売されていますが、アクセサリーにも代用する事は可能です。
食品を密閉する意図で作られていますから、その密閉度は概ね安全でしょう。(少しお高いのが難点ですが…)

尚、この「化学反応」から避けるというアプローチでは「純銀」や「純金」「プラチナ」といった空気に安定しているものには実は効果は少なかったりしますが、やはり、埃や、接触小傷から防止する意味では、意味があると思ってアプローチして下さい。

3-2.変色防止剤をこまめに吹き付ける。(素材により異なる)

市販のものに目をあてれば、変色防止のスプレー剤などが売ってあります。(1000円程度)

スプレーで噴霧するので、ピアスや細工物のようなものにもつけやすいメリットはあります。

また、ジュエリーボックスに入れて収納するなど、保管状態を楽しむのもアクセサリーのメリット。

真空パックでは審美性に欠けると思った方にはおススメ出来るかもしれませんね。

ただし、現在、全ての金属、ジュエリーに有効な万能の保護溶剤を見つける事ができませんでした。

お持ちのアクセサリーの素材に合わせた種類の溶剤の準備が必要です。

シルバーの保護材を真鍮のアクセサリーに使っても効果は期待できないものなのです。

3-3.保管場所、レイアウトに注意する

黒ずみの防止の意味では、真空状態での保管をお勧めしますが、ヘビロテアイテムや、常時使うものをそうするのは面倒という気持ちも理解できます。

その場合でも、「2-1.1日の使用でアクセサリーに付く、汗・雑菌・埃を取り除く」のお手入れをしっかりとして頂き、保管場所を『高温多湿』の場所を避ける事でも乱雑な保管よりも効果があります。(大切にすると意識することが放置しない事につながる事もあります)

また、ジュエリーボックスや袋に入れて保管・移動させるときには並ぶアクセサリーにも配慮してあげて下さい。

勿論、オシャレでハイセンスなインテリアとして使いたい方もいらっしゃるでしょうけれど、アクセサリーに使われる素材は硬度が全く違います。

最も固いとされるダイヤモンドは硬度10、柔らかいとされる金は硬度2-2.5。

これだけの硬さの違いがあれば、接触や負荷がかかれば簡単に傷になり品質を損ねる事になりかねません。

接触しない工夫か、その並び方、当たり方にも注意して大事に飾ってあげて下さい。

身に着けるアクセサリーは時に素敵なインテリア。

そこでも少しの配慮が足りないと大きな後悔につながりかねません。

素敵なアクセサリーを多角的に楽しむ為にも是非、意識してあげて下さい。


最後に

おまけの保管方法

【用意するもの】
  • 冷蔵庫
【手順】
1.「2-1.1日の使用でアクセサリーに付く、汗・雑菌・埃を取り除く」の方法でお手入れをした後、アクセサリーを冷蔵庫に入れて保管。(空気を遮断する袋にいれるとさらに良い)

空気や日光との反応での変色を避ける為ですから、暗室で日光の当たらない冷蔵庫保管は適正だと思われます。

これは、私がアパレルメーカーでファッショングッズを担当していたときに教わって、実際、量産品前のサンプル保管にしていた方法なのですが、化学的な根拠は不明で、実際の効果は確かではありませんが…、『簡単に誰にでも出来る「害のない」方法』、もし興味がおありの方は試してみても面白いかもしれません。


4.まとめ

ring いつもあなたを飾るアクセサリー。

身に着けても飾っても幸せな気持ちになりますよね。

だけど、大切だからこそ、そのお手入れや保管、「保守管理」を怠って、黒っぽくくすんだ時は悲しくなります。

直せない症状になってしまったらその後悔は…

ここに書いてある事は、ごく当たり前な簡単なことです。

この「簡単」を『簡単』にクリアすることが出来たら、その悲しいリスクを少し遠くに追いやれる。

大切だから。
素敵なものだから。
お気に入りだから。
その細やかなアフターケアを手向ける事で、素敵な思い出をお気に入りとアクセサリーと『長く』、共に積み上げていって上げて下さい。